せっかく旅行に行くので良い写真を残したい。
いつもはスマホで撮っているけど物足りなくなってきた。
友達がきれいな写真撮ってたけど自分も撮れるかな?

 

そんなことを思ったことはないでしょうか?

 

実は私も30歳超えるまで、まともなカメラを触ったことがありませんでした。

そして私は、33歳で世界一周の旅に出る時に

「正直こんなチャンスは一生に一度。だから、ずっと思い出として残しておきたくなる、良い写真を撮りたい。」

そう思って、カメラ経験もないのに高いカメラを買おうと決めました。

 

そんな私が実際に世界のいろんな国で20,000枚以上の写真を撮ってきて、ひとつだけはっきり言えるのは、

良いカメラを買って、撮り方の基本さえ覚えれば、良い写真は撮れる!

ということです。

 

あなたも私と同じように、カメラの選び方が分かるようになり、今までとは数段違う写真が撮れるようになります。

それでは私の経験と知識を元に、カメラの選び方を解説していきます。

 

最初に知っておきたい『一眼レフとミラーレス』

カメラのことを調べてみると、必ず出てくるのは「一眼レフ」と「ミラーレス」という言葉です。

どちらも聞いたことはあるけど、それが何かは分かっていない。そんな人が多いのではないでしょうか。

 

一眼レフとは?

「一眼レフ」というのは、レンズを通して見える映像を、そのまま人間の目でも見えるようにした仕組みのカメラです。

わりと序盤から何を言っているか分からないですよね?

安心して下さい、ちゃんと説明します。

 

例えばあなたが手持ち鏡を持っていたとします。手持ち鏡には、今あなたが写っています。

次に手持ち鏡を正面に持ったまま、左に向けて斜め45度に傾けた状況を想像してみて下さい。

鏡の中には、あなたの左側にある景色が見えていますよね?

 

これと同じ原理を使っているのが「一眼レフ」です。

たとえばレンズから見える景色を人間が自分で確認しようと思ったら、レンズを直接覗き込むしかありません。

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しかし本当にレンズを直接覗きこんで「この景色写真に収めたい!」と思っても、一生その願いは叶いません。

なぜなら、あなたの目に撮影の機能はないからです。

 

一方で、もしカメラにファインダー(覗き込む窓)がついていなかったとしたら、どうなるでしょうか。

撮影したいと思う景色を見ながら、その方向にカメラを向けてシャッターを切ること自体はできます。

しかし「たぶんこのぐらいの角度だったら、撮りたいものが収まっているはず。」という、半ば当てずっぽうの感覚に頼って撮影しなければなりません。

 

そこで考えられたのが一眼レフです。

ファインダーを覗くと、複数の鏡(ミラー)に反射される仕組みを経て、レンズから見えている景色と全く同じものが映し出される仕組みです。

上の図のミラー1とミラー2の反射を利用して、レンズから見える景色を覗くことができるわけです。
ここでシャッターボタンを押すと、それまでセンサーの前に立ちふさがっていたミラー1が一瞬跳ね上がります。
この時に景色(光)がセンサーに届き、それが写真になります。
ちなみに、一眼レフにおけるシャッター音は、このミラー1が跳ね上がり、元の位置に戻る時の音です。

ミラーレスとは?

次に「ミラーレス」についてです。これはその名の通り「ミラーが無い(Mirror-less)」カメラです。
そもそもミラーがありませんので、レンズから見えている景色を素の状態で見ることはできません。
代わりに、その景色(光)を直接センサーに取り込み、それをデジタル画像として画面に映し出す仕組みになっています。
「一眼レフ」が鏡越しの映像だとすれば、「ミラーレス」はTV(モニター)越しの映像ということになります。
ミラーレスでは、ミラーが無い分、ボディが小型化・軽量化できるメリットがあります。
またデジタル技術によってまだまだ改善の余地があるため、将来性もあり、これからカメラを始める方にとっては「ミラーレス」の方がおすすめです。

以上が、「一眼レフ」と「ミラーレス」の構造の違いについての大まかな説明です。

 

カメラはどんな条件で選べばいいの?

ざっくり大分類で言うと、

・写り
・大きさ/重さ
・値段

カメラ選びというのは、この3つのバランスを決める作業です。

 

不動産屋で部屋探ししようと思ったら、

・間取り
・最寄り駅 徒歩
・家賃

のバランスを考えますよね?(そして全ての条件を満たすことはできません)

それと全く同じことをやっていきます。

 

条件1:『写り』- その写真に感動はありますか?

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カメラで写真撮って「おー!これめっちゃいい写真!」って思えないと意味がありません。

高いお金だして、重いカメラ運んで、撮れた写真がスマホの写真と変わらないのでは、悲しいです。

 

実際のところ、わざわざカメラを持ち出して撮影する一番の原動力は、写真に感動できるかどうかです。

つまり、スマホには撮れない写真が撮れるかどうかです。

良い写真が撮れるからこそ、多少面倒でもカメラを持ち出そうという気になるのです。

 

では、スマホには撮れないような写真を撮るためのカメラってどんなものでしょうか?

そこには明確な答えがあります。

 

写りの良さを決めているのは、大きく分けて2つ。

・カメラのセンサーの大きさ
・レンズの性能

ほぼ、これで決まります。

 

カメラに詳しくない人の大半が、画素数に騙されがちです。2000万画素!などと聞いただけで「すごそう!」って思ってしまう方は要注意です。

 

センサー(撮像素子)って何?

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センサーというのは、撮った映像を画像として記録する(撮り込んだ光を電気信号に変換する)パーツのことです。

このセンサーのサイズが大きければ大きいほど、大きなデータを記録することができます。

つまり、精密で美しい写真には、このセンサーの大きさが不可欠なのです。

 

カメラのセンサーの大きさをざっくり分けると、以下の4種類があります。

①フルサイズ:
写りの最高峰。これを買っておけば100%満足できます。代わりにカメラ自体の大きさが大きくなりがちです。

②APS-C:
十分満足できる写り。明らかにスマホとは違います。APS-Cと書いて、「エーピーエスシー」と読みます。

③フォーサーズ(4/3):
写りはAPS-Cに劣り、コンパクトさは1インチに劣ります。いいカメラもたくさんありますが、初心者にはおすすめしません。

④1インチ:
それなりに綺麗な写真が撮れます。上位機種に比べると写りは劣りますが、代わりにコンパクトさが手に入ります。

 

ところでスマホのセンサーサイズはどのぐらいは分かりますか?

実は、iPhoneの場合で「1インチ」の3分の1の大きさです。

「え?iPhoneでもあんなにきれいに撮れるのに?」と思ったあなた、そうです。

あなたの知らない世界がここにはあります。

 

おそらく「このぐらい綺麗な写真が撮りたい」と思えるカメラのセンサーは、「APS-C」以上です。

 

なぜレンズが大事なのか?

写真を撮る上で、いかにレンズが重要であるかは、カメラを使えば使うほどに認めざるを得ない事実です。

 

スマートフォンというのは、多くの人が手に持って違和感のないサイズに仕上げなければならない使命があります。

そして、それこそがスマートフォンが、ある一定以上写真の質を上げることができない大きな原因になっています。

 

きれいな写真を撮るためには、映像をできる限り純度の高い状態で、センサーに伝えなければなりません。

そのためには、完璧な性能を誇ったレンズが必要なのです。

 

この完璧を求めるために、カメラのレンズは筒の中にいくつものレンズ面を備えています。

ちょっと頭の中で眼鏡のレンズを想像してみて下さい。

ああいうレンズが筒の中に複数配置されているのが、カメラのレンズです。

 

ところで、カメラのレンズには、大きく分けて2種類あります。

「ズームレンズ」と「単焦点レンズ」です。

ズームレンズ

一般的に多くの人がカメラのレンズと聞いて想像するのがこちらだと思います。

レンズの筒のところを回すと筒が伸びたり短くなったりします(伸びないものもあります)。

ズームレンズを持っていると、撮りたいと思うものはだいたい全て撮れます。

・広角(広い範囲を撮る=集合写真や景色撮影)
・望遠(遠くを撮る=顔のアップや運動会の撮影)

しかし広角も望遠も撮れるズームレンズは、その便利さを実現するために構造上の無理があり、単焦点レンズに比べると写りが劣ります。

単焦点レンズ

単焦点レンズはズームができない分、写りの良さに注力して作られています。

しかし、そのおかげでズームレンズよりもきれいに撮れます。

高級カメラの写りの美しさを体感してみたいのであれば、単焦点レンズを買って体験してみることをおすすめします。

 

ただし、ズーム(拡大縮小、スマホでいえばピンチアウト/ピンチイン)はできませんので、

・集合写真を撮る時には自分自身が後ろに下がって撮る。
・相手の顔のアップを撮るには自分自身が前に近づいて撮る。

といった手間がかかります。

 

ズームレンズであれ単焦点レンズであれ、製品ごとに長所や短所があるので、お気に入りを探してみてください。

ちなみに私は世界一周旅行の際、ズームレンズ1本、単焦点レンズ2本の計3本持って行きました。

 

条件2:『大きさ/重さ』- 許せる大きさと重さを選ぶ。

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意外とバカにできないのが、カメラの大きさと重さです。

大きなカメラ、重たいカメラを持ち歩くというのは、本当に疲れます。

 

カメラを外出の度に持ちだすのは面倒だし、たまに投げ捨てたくもなる時もあります。

海外旅行の最中なら、カメラが大きいだけで目立つし、スリや強盗から狙われる心配もあります。

 

しかし、そういう一切の面倒を乗り越えて、

「それでも、きれいな写真が撮りたい!」

そういうモチベーションをキープできるかどうかを、自分に質問してみて下さい。

 

そもそもカメラを持ち出すこと自体が億劫になってしまったら、どんなに良いカメラを選んでも意味がないです。

常に持ち歩いてこそのカメラです。

まず一度、家電量販店などでカメラを触ってみるのが良いでしょう。

 

条件3:『値段』- きれいな写真を撮るためにいくら払えますか?

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上の2つの項目「写り」「大きさ・重さ」を決めたら、必然的にカメラの価格は見えてきます。

そして、そもそもカメラにいくら注ぎ込めるのか?

頑張ってお金を貯めましょう!

 

私の経験から言えることは、ある程度最初から良いカメラを買った方が、写真の楽しさを実感できます。

中途半端にケチって安いカメラを買うと、スマホとの差が分からないまま興味が失せてしまいます。

 

おまけの条件:『操作性』- 最初はそれほど重要ではありません。

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まず握りやすさ。

小さすぎたり軽すぎたりすると、男性の場合はホールド感がなくて、かえって撮りにくかったりします。

 

それからオートフォーカス(ピント合わせ)の速さと正確性。

撮りたい時に、すぐ撮れるのがカメラの必須条件です。

 

あとボタンの数や配置。必要な機能がすばやく使えるものになっているか。

ただ、これは実際に使っていかないと理解できない部分が多いと思いますので最初はあまり気にしなくて大丈夫です。

それから連射速度などは最初は無視して構いません。

 

CHECK

▶ 知っておくと役に立つ
一眼レフやミラーレス一眼だと、エントリー機(初心者向けの機種)と中級機(中堅レベルの人向け機種)で何万も値段が変わりますが、ほとんどはこの操作性と機能の多さに依るもので、写りはほとんど変わりません。「より快適に使いたい」という人は中級機を買えばいいと思います。

 

まとめとおすすめ

せっかくスマホでは撮れない写真を求めてカメラを買うのですから、写りは何より重要です。

ですから、まずはセンサーサイズを重視してほしいと思います。

 

具体的にはフルサイズかAPS-Cをおすすめします。

10年ぐらい前まではフルサイズというとプロ機の象徴みたいなもので、値段もかなり高かったのですが、いまは色んな機種が出てきて価格競争もあり、かなり安く手に入るようになりました。

写りを優先するのであれば、何も考えずにフルサイズを選ぶと幸せになれます。

 

ではAPS-Cを選ぶ意味はないのか?というとそうではありません。

APS-Cの機種は、技術革新の積み重ねによってカメラのサイズがかなり小さくなってきました。

写りの美しさを求めつつも、フルサイズの機種ほど大きいのは持ち歩きたくない、という方にはぴったりです。

POINT

・とにかく写り重視の人:フルサイズ
・写りも大事・サイズも大事な人:APS-C

 

基本的には同じセンサーサイズの中であれば、どの機種も写りはあまり変わりません。

ですので、同じセンサーサイズの中なら安い機種を買い、浮いたお金をレンズ代に回すとを幸せになれます。

本気できれいな写真を撮りたいなら、単焦点レンズの買い足しをおすすめします。

 

フルサイズのおすすめ機種:SONY α7 III

今の時代の最強コスパ機種がこれです。

はっきり言って、これを買ったらプロと一緒。そんなレベルです。

 

一般の人からすると「一体どこがコスパ?」と思う値段ですが、カメラを使っている人からすると「このレベルでこの値段!」と舌を巻く価格設定です。

それなりにお金を出す覚悟のある人に対してなら、私はほかの候補を一切出さずにこの機種をおすすめします。

オートフォーカス(ピントを合わせる機能)の精度がめちゃくちゃ高くて、最高に助かります。

カメラ本体だけでだいたい20万円ぐらいです。

 

APS-Cのおすすめ機種①:SONY α6000系のどれか

なにこの人、ソニーが好きなん?

って思ったかもしれませんが、そうじゃありません。時代がソニーなんです。

 

「一眼レフ」が主流だった時代は、キヤノンとニコンの2強でした。

カメラの分野ではソニーは相手にもならないぐらい弱小でした。

しかし「ミラーレス」が主流となった今、誰よりも先に「ミラーレス」の開発に取り組んできたソニーが先頭を走っています。

昔は王者だったはずのキヤノンでさえ、後を追っている状況です。

 

APS-Cの機種でも同様にソニーのカメラをおすすめします。

性能もすばらしいし、将来性もある。

 

ソニーのα6000系には、α6300とかα6500とかα6700とか色々あるのですが、個人的なおすすめはα6500です。

強力な手ブレ補正がついてながらサイズは小さいまま!本体だけなら10万円を切ります。

初心者におすすめなのは、α6000です。型落ちになってかなり安くなっていますので、本体だけなら5万円ぐらいです。

 

APS-Cのおすすめ機種②:Canon EOS KISS M

Canon EOS M50 BLOG

カメラ全体でいえば、いまだにキヤノンが一番シェアの高いメーカーです。

しかし、ミラーレスのジャンルにおいてはソニーに出し抜かれたしまったため、本気に挽回しに行っている最中です。

そんなカメラ界の王者キヤノンが一番売れ筋のKISSシリーズを、ミラーレスカメラで初めて出してきたのがこの機種です。

 

キヤノンの強みは、これまで開発し発売して積み上げてきた無数のレンズコレクションです。

一眼レフの時代なら、良いレンズが揃っているからカメラをキヤノンにするという選択も珍しくないほどでした。

しかしミラーレスの時代になり、その状況はリセットされました。

ミラーレスカメラ専用のレンズを再開発する必要があるため、これまで積み上げてきたレンズ群は、ミラーレスカメラに装着することができないのです。

 

しかしキヤノンにはこれまでのレンズ開発で培ったノウハウや開発者の技術力があります。

そのため、将来的に良いレンズが発売されていく期待感はあると思いますし、これまでずっと1位で走ってきたメーカーだけあって手堅いです。

その手堅いキヤノンがソニーから王座を奪還すべく、一番売りたい(つまり一番本気の)カメラがこのEOS KISS Mなのです。

 

KISS シリーズというのは、基本的にエントリー機(初心者向けの機種)です。

おそらく日本の中で最も使われてきたAPS-C以上の機種は、このKISSシリーズといっても過言ではないと思います。

基本的な機能は全ておさえ、その上でたくさんの人に買ってもらえる価格設定。本体だけなら大体6万円ぐらいです。

 


 

以上、カメラの選び方とおすすめ機種でした。

ほかにも画素数のこと、F値のこと、ISOのことなど色々説明したい部分はあります。

しかし、あまり専門的なこと書いても伝わらない気がするので、それはまた別の機会に説明します。

 

とにかくカメラは触ってナンボです。頭で考えてる暇があるならシャッター押した方がいい写真撮れます!

それでは楽しいカメラライフを!

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